アズマカナコ『捨てない贅沢 東京の里山発 暮らしレシピ』★★★(けやき出版、2011-1)

「捨てない」のに、過剰なものが一つもない(暮らしはそうなんだろうけど、この本にも)。それは「暮らしレシピ」だからなのだろうか。

このつましさ(「贅沢」と題名に付けているのだから「つましさ」だと正反対になってしまうが)は何ともかわいらしくて、人生をやり直すとするなら、こういう生活+本(これははずせないので)も有力な選択肢になるよな、と思ってしまうのだった。

とうもろこしの芯の利用法


とうもろこしの芯からはおいしいダシが取れる。我が家はご飯やみそ汁、スープにして利用している。すぐに使わない分は、干しておけば保存できる。(p.51)

私も捨てないことにかけては簡単には負けないと自負しているが、例えば、私のが生ゴミはすべて土に返すという単純ものなのに対し、アズマカナコは、それこそ皮も芯も種も、利用出来るものは全部利用し尽くして、そののち土に返すのだから、ああ、これは比較することがそもそも間違っていたと、それはもちろん技術も知識もなのだが、生活するという基本から違うのだと「本書の使い方」(p.4)で即降参、ははーと平伏するしかなかったのである(なにしろ、料理しないしね、私)。

この本を読んで、あーそうか、七味唐辛子も豆腐もきな粉もこんにゃくもみそも、何でもやろうと思えば作れちゃうのだという、至極当然なことを改めて教えてもらっちゃったのでした(料理をしない人間はこんなことも知らないのだ=えばってないよ)。