2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

姫野カオルコ『ツ、イ、ラ、ク』(角川文庫14581、H19-2、解説:斎藤美奈子)★★★★☆

どう書き残しておけばよいのか……まとまりがつかないので、いきなりハイライトシーンを。なんで、本書を未読の人は絶対に読むべからず。ここに至るには、遠回りにも感じられる小学生時代の記述からすべてを頭に入れておかなければならない(と、私が言うこと…

大沼紀子『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』(ポプラ文庫2011-10)★★☆

期待しつつ前半を読み進むが、後半に失速、というか、あくまで私の好みの問題なのだが、この手の話はどうも、なのだった。托卵娘?の高校生である希美の宿(托卵先)となったパン屋の二人と、そこにやってくる人物たちが織りなす現代版人情話みたいなものが…

外山滋比古『日本語の作法』(新潮文庫8948、H22-1)★★☆

かつて、大正の中頃のこと、「とてもきれいだ」というような言い方が始まって、心ある人は心を痛めたという。「とても」は、あとに否定のことばを伴うものときまっていて、「とても考えられない」のようになるのが普通であるのに、「とてもうまい」のように…

『ナチュリラ別冊 冷えとりガールのスタイルブック』(主婦と生活社、2010/2012-6)?★

(服)ケガって偶然と思いきや、必然なんですね。冷えとりの「毒出し」は、熱が出たり、湿しんが出たり、下痢をしたりというように、症状で出る場合もあるけれど、ケガで出ることもある。これは、体験しはじめないと、なかなかわかりづらいですが……。(p.91…

姫野カオルコ『もう私のことはわからないのだけれど』(日経BP社、2009-1)★★★

「赤ちゃんはまだなのって、結婚を祝う気持ちで言っても、辛い気持ちになる人がいる」ってことは有名になったけど、病気になった親のそばにいないってことは、いけないことに、まだ、なってるから。(p.79) いいと思わないのになぜするんだ、って訊く人がい…

進藤義晴、進藤幸恵『幸せになる医術 これが本当の「冷えとり」の手引き書』(PHP研究所、2011-1)?★★☆

病気のほとんどは、食べ過ぎが原因で起こります。ろくに嚙まないで食べると消化吸収が悪く。栄養が十分体に入らない。30分かけてゆっくり食べる暇がない時は、「食事を抜かせ」という合図だと思うこと。 絶食すると、内蔵の毒がよく出ます。(p.19)「嚙」に…

内田聖子『あなたのようないい女』(日本文学館、2010-1)★★☆

「明星」は金食い虫で、鉄幹は惚れっぽい男であった。 しかし、そんな夫への嫉妬、憎悪の念が、彼女の情念となって独自の歌境を深めていく。晶子は、鉄幹なしでは歌をよむことも、子供を産むこともできないのであった。その点で、晶子のいない鉄幹は存在しう…

姫野カオルコ『終業式』(角川文庫、H16-1、解説:藤田香織)★★★☆

まだ二冊目だが、姫野カオルコ中毒になりそう。というほどには何もわかっていないのだけど。ま、それは解説の藤田香織も言ってることで、要するにお楽しみが沢山残っていることなのかと……。 この物語は、これまでの著者の作品の中で、一番「普通」の話です。…

百田尚樹『風の中のマリア』(講談社文庫、2011-1、解説:養老孟司)

★★☆ オオスズメバチは、幼虫時代は肉食だが、成虫になると逆に肉などの固形物は一切食べられなくなる。そのため樹液や花蜜が食物となるが、最高の栄養源は幼虫の出す唾液だった。そこには特殊なアミノ酸化合物が含まれていて、これのお陰でオオスズメバチの…