2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧
父に会ったってナナコは何も言わないだろうに、自分は何も必死に隠しているんだと、うしろの窓をふりかえり、遠ざかるタクシーを見つめて葵は思う。ナナコは何も言わない。客寄せのために内部をごてごて飾りつけしたタクシーに乗っている父を見ても、せこい…
私小説が自然主義文学の胎内から生れるについては、その経緯がどんなにいびつであっても、それなりの必然があった。また「私」をめぐる人間関係を描写するかぎり、真実らしさにゆきつくことについて理念にも似た確信もあった。その場所で言えば私小説はひと…
詩や小説を書くことは救済の装置であると同時に、一つの悪である。ことにも私小説を鬻ぐことは、いわば女が春を鬻ぐに似たことであて、私はこの二十年余の間、ここに録した文章を書きながら、心にあるむごさを感じつづけて来た。併しにも拘わらず書き続けて…
ぼくはこの本の中で恐龍よりもおもしろいものをみつけた。この巨大遊園地を作る資金を出したのは他ならぬ日本の合同資本ということになっているのだが、その名が、ハマグリとデンサカ。こんな名前が日本にあるだろうか。 さらに読みすすむと、ハマグリの名は…
「パソコン自作の世界」へようこそ。自分だけのパソコンを完成させた気分はいかがですか? 自分で作ったパソコンだから、パーツの交換も思いのまま。「買い換えるもの」だったパソコンが、今日からは違います。ハードディスクドライブの容量が足りなければ、…
父を語る時、郷土、富山を抜きにしてはできない。大正三年に新しくつけた屋号「黒田国光堂」と大正六年に初めてつくった商標「国誉」に込められていたのは生まれ故郷への思いそのものである。国は越中、富山を指していたのであった。 富山から大阪に出るには…
だからボクは郷ひろみなのだ。これが、郷ひろみが郷ひろみたる所以なのだ。(p.283) まさに、そんな感じの本だった。って、何言ってるかわからない? ま、そっか。 水を恐れることのなかったボクは、25メートルプールで泳いだりしてかなり自信をつけていた…