郷ひろみ『若気の至り』(角川書店、2000年)

 だからボクは郷ひろみなのだ。これが、郷ひろみ郷ひろみたる所以なのだ。(p.283)

まさに、そんな感じの本だった。って、何言ってるかわからない? ま、そっか。

 水を恐れることのなかったボクは、25メートルプールで泳いだりしてかなり自信をつけていたのね。なんだ、ボクってなんでもできるんじゃない。水の中で目薬をさすこともできたし、息だって死ぬまで止めておくこともできる。水の中で手足を使って「シェーッ!」だってできる。もしかして将来はスイマーにでもなれるんじゃないの、と思うほど水に親しんでいた。とはいえイトマンスイミングスクールに通ったり、特別泳ぎを習っていたわけでもないから、あくまでも大いなる勘違いだったんだけどね。(p.38)

郷ひろみというと私の場合、まだ郷ひろみ郷ひろみだった時(ずっと昔と言いたいだけなのだが)、将来何になりたいかと訊かれて「社長です」と言っていたことを思い出す。これは週刊朝日だった気がするのだが、何しろあまりにも昔のことなので自信がない。なのに強烈な印象として残っているのは、インタビューアーが「何の社長になりたいのか」と続けて問うて「だから社長です」と郷ひろみが答えていたからなのだった。