2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧
江藤淳『妻と私・幼年時代』(文春文庫、2001年、p.133)の『幼年時代』から (注:「さば」に傍点ルビ)江藤淳が書いているのは母親の手紙についてだが、私も最近、私が2歳当時の母の日記を目にする機会があった。学のない私の母と、母より一回りほど上な…
江藤淳『妻と私・幼年時代』(文春文庫、2001年、p.62)の『妻と私』から昨日は持ち上げたが、こういう江藤淳は好きになれない。で、ついでに、江藤淳(というより本名の江頭淳夫にだったかな)に怒っていた鈴木孝夫の『私は、こう考えるのだが。―言語社会…
江藤淳『妻と私・幼年時代』(文春文庫、2001年、p.42)の『妻と私』から江藤淳が妻のあとを追うようにして自殺したと聞いた時、江藤淳でも自殺をするのだと、江藤淳をほとんど知らなくくせに、そしてそこに至る経緯などに興味を持つこともなく、簡単にそう…
来年の5月21日にはじまるという裁判員制度の新聞全面広告(24日)にあった文面。「登録された方」と言われても、登録した覚えなどないのに、と「登録されてしまった方」は思うんじゃないかな。って、そういう意味じゃないですね。はい。日本語ってややこしい…
村上義雄編『[フォト・ルポルタージュ]子ども やがて悲しき50年』(太郎次郎社、1995年、p.159) ざっくばらん討論 これからまた、変わり始めるんじゃないかな 出席=井上ひさし、落合恵子、石坂啓 司会=村上義雄 での村上の発言許したら、その大人も許さ…
アットワンス(JTBパブリッシング)2008年10月号 椎名誠「東京巡礼 第2回 消えた秘湯」今はもうない八丈島の、椎名誠にとって「日本でいちばんいい温泉」だったという南国温泉ホテル。八丈島も新婚旅行のメッカだったことがあるのね。いつの頃なんだろ。昭和…
アットワンス(JTBパブリッシング)2008年10月号 「山本益博、東京フレンチで遊ぶ」(監修:山本益博、文:粂真美子)食べることに興味がないので、フランス料理について書かれたものを読むなんて、我ながら信じられないくらいなのだが、まあそれなりに面白…
阿川佐知子『婚約のあとで』(新潮社、2008年、p.323)現在を満足させられないから未来の夢を語るんじゃ……。昨日の引用があんまりだったので。にしてはこれも文句を付けてるみたいだよなぁ。081123-208
阿川佐知子『婚約のあとで』(新潮社、2008年、p.157)内容からは離れた引用で申し訳ないが、母の引越とそのあとの片付けを見ていたものだから、「モノに埋もれて死んでいった」という部分が焼き付いてしまったのだった。そういう私も、どちらかといえばモノ…
新年のご挨拶を申し上げるべきところ 喪中につきご遠慮させていただきます今年もはや、年賀状を用意する時期(商売的に。私自身はたいてい年明けに書くことが多い)となった。ということは喪中葉書の時期でもある。引用は、H社という紙製品会社の喪中葉書の…
ちくま(筑摩書房)2008年11月号、p.65 岸本佐知子「ネにもつタイプ 連載・81 やぼう」50音には「あ」行や「か」行などという区分けとは別の種族が存在するという。んで、それ相応の確執(「ん」の場合は野望らしい)や近親憎悪に同族意識と、どこぞの世界と…
こうした同時代の監督のなかに大島渚を置いてみると、彼の不器用なまでの真面目さが際立って意識されてくる。というも大島はいかなる場合にも作品の不在に拘泥し、文章を通してなんとかそれを論理化しようと真剣に努めてきたからである。なぜ自分が映画を撮…
ちくま(筑摩書房)2008年11月号、p.23 鈴木理生「いにしえ東京歳時記 16 鳩屋」麹町に「鳩屋」、それも「伝書鳩とその関連商品をひさぐ大店」があったのだという。「戦争が始まるまで」は。そりゃ知らんわな。とはいえ昔、伝書鳩はもっと身近な存在だった。…
あの紅いほっぺたで、酒豪にして愛煙家、更にはキャンディーズの大ファンにしてプラモデル作りが趣味だという。それを知って、人間存在の不可解さと不気味さを、いまさらながら教えられた。 総裁選に出馬したもう一人の立候補者の小池百合子は、石破とは別の…
本が好き!(光文社)2008年11月号、p.102 槇村さとる「おとな養成所 第二十九回 身に覚えのなきこと」私にはもう十分イヤミです。今年はいただきものを食しましたが、でもこれは30年ぶりくらいのことなんで、いや、もしかしたら松茸ご飯という名の、ほいで…
しかし同時に暗澹とします。多喜二には共産主義という理想があったけど、今は、信じるに足る「正解」がない。理想は消えたのに地獄だけ復活したのです。 それにしても、多喜二が命がけで信じたあの主義は、なぜダメだったのでしょう。『蟹工船』パワーを浴び…
息が詰まるようでした。声の響きが失われ、なんだか真空ってこういうことじゃないか、という思いが頭をかすめました。 「自分じゃわからないものなの?」 「、わからない……」 絲山秋子『沖で待つ』(文藝春秋、2006年、p.103)「、」ではじまる会話を書き留…
絲山秋子『沖で待つ』(文藝春秋、2006年、p.25)引用は、表題作の他にもう1篇収録されている『勤労感謝の日』から。私もこうやって、目に飛び込んできたり頭に浮かんでくるものごとに、迫力ある悪態を次々とついてみたいのだけど、なんかしょぼくれてんだよ…
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061025/251769/ ITpro2006年10月25日「デジタル・ネイティブを意識したIT戦略が急務に」、米ガートナー リサーチ部門最高責任者のピーター・ソンダーガード氏(署名記事:渡辺一正=日経コンピュータ)10日のNHK…
本が好き!(光文社)2008年11月号、p.64 わぐりたかし「連載第十八回 見てきてさわる語源の旅 うんともすんとも/熊本県」http://www.kyuhaku.jp/museum/museum_info04-07.html ウンスンカルタについてはこちらをどうぞ。別にここじゃなくてもいいんだけど…
少女:Mine, too. 私のでもあるわ この少女のセリフに字幕屋は、はたと困った。わずか一秒なのだ。これまでも何度か書いたが、字幕は一秒=四字が原則。ここも四字以内で表現しなければならない。右の直訳は七字。末尾の「わ」を削除しても六字。まだ多い。…
さだまさし『解夏』(幻冬舎、2002年、p.29)ベーチェット病という、失明することで完治するという、信じがたい病についての、作品の登場人物による解説。『解夏』には表題作の他『秋桜』『水底の村』『サクラサク』の中編が収められていて、どれもさだまさ…
帯刀権という「権利」の制限こそが問題だったという指摘は、とても示唆的である。それは、近代国家の形成について考えていた私にも大きなヒントを与えてくれた。おそらく、帯刀権の問題は藤木氏が考えている以上の射程の広さをもっているだろう。帯刀権は、…
いくら先行作品があっても、出来が気に入らなければ「これなら自分の方が」と燃えてしまうものですが、この本は違いました。まず「世界征服って、いったい何だよ」から始まって、世界征服の目的、支配者のタイプ、世界征服の手順、世界征服した後どうするか―…
本が好き!(光文社)2008年11月号、p.6 光文社の本から 伊藤比呂美『女の絶望』人生相談で回答をする時、責任を感じるか、という編集部の質問に答えての返事。伊藤比呂美がそこまで考えて回答していたとは。って失礼な私。相談相手が自殺しないようにって考…
ポンツーン(幻冬舎)2008年10月号、p.59 辰美イサム「痛風シネマ倶楽部78 終わりから、はじまる物語――。」この連載の存在は知らなくはなかったが、観る前の映画の情報は極力避けているため、ちゃんと読んだ記憶がなかった。したら、最終回なんだって。と言…
恩田陸『夜のピクニック』(新潮文庫、H18、p.290)恩田陸はプラモデルも作る? 高校生の男子だからプラモデルを持ってきただけ? ほへー、作家ってすごい、とくだらないとこで感心してしまう。40年以上前にはよくぶち当たったけど、出来の悪いプラモデルっ…
一冊の本(朝日新聞出版)2008年10月号、p.9 上野昂志「ヴィジュアル本を楽しむ14 『魚の顔図鑑』写真=デヴィッド・デュビレ」 (注:上野昂志の昂は日の左下が工)まさに。美醜も思考の限界、妨げ!?081103-188
一冊の本(朝日新聞出版)2008年10月号、p.5 ピーター・オコーノ「語られなかった歴史1 ある英字紙の111周年」「戦争責任」を検証しちゃうんだって。「日本政府の公式見解」や「事実上の宣戦布告として受け止められ」ていたのだとしたら、検証してもらった方…
毎日新聞2008年10月31日、19面 荻原浩「極小農園日記 3 種まきというより豆まき。はやる心抑え気味に」「荻原浩」続きは、もちろんたまたま。普段読まない毎日新聞を、それこそたまたま手にしたからで……。あ、でもネットでも読めますね、これ(http://mainic…