内田聖子『あなたのようないい女』(日本文学館、2010-1)★★☆

「明星」は金食い虫で、鉄幹は惚れっぽい男であった。 しかし、そんな夫への嫉妬、憎悪の念が、彼女の情念となって独自の歌境を深めていく。晶子は、鉄幹なしでは歌をよむことも、子供を産むこともできないのであった。その点で、晶子のいない鉄幹は存在しう…

浦沢直樹『20世紀少年』第1〜22巻、『21世紀少年』上、下巻(ビッグコミックス、2000〜2007年)

「私………漫画のことはよくわかりません。ただ………」 「ただ、どうした。」 「あくまで一読者の感想として素直に言わせていただきますと……この作品からは……お二人の熱い志が伝わってまいりません。うわべだけの恋愛を描かれるより……荒唐無稽のようでも、私が見…

だが、凶暴といい、可愛いといっても、これは、あくまでも、それを見ている人間の勝手な思い込みに過ぎないのは、いうまでもない。誰か知っている人の顔に似ているなどというのも同断である。しかし、魚に限らず、人間はなぜか、他の動物を同族に比定して云々したがるのだが、そこに、われわれの思考の限界があるのかもしれない。

一冊の本(朝日新聞出版)2008年10月号、p.9 上野昂志「ヴィジュアル本を楽しむ14 『魚の顔図鑑』写真=デヴィッド・デュビレ」 (注:上野昂志の昂は日の左下が工)まさに。美醜も思考の限界、妨げ!?081103-188

韓国に行くと食堂で出てくる爪楊枝がちょっと変わっている。トウモロコシのデンプンでできている。歯をつっついているとすぐふやけて使いづらい。だが、用は足りる。日本みたいに木や竹の爪楊枝は法律で禁止されているそうだ。

暮しの手帖、2008年春、No.33(386)、p.148 潮田道夫「今日よりも明日14 いざとなればイモがあると言うけれど」著者の論点からは少し外れる引用かもしれないが、このデンプン爪楊枝話(これだと残飯を家畜の餌にできる)は、発想を変えればこんな法律も生ま…

立って乗れると、天下を取ったような気分になる。

朝日新聞、30面「70代 波乗りおばあちゃん」という見出しで、ブラジル移民の浦本房江さん(77)と今野礼子さん(79)のサーファーぶりが地元でも話題になっている、と紹介している。上のは、その記事の中にあった浦本さんの言葉。70歳で仕事を引退後、サーフ…