2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧
(p.4、山本武利)データベースを使えば、言説の内容と数量的なデータとの重層的な構造を立体的に示すことができるようになるでしょうね。ところが書物の場合には、時系列的に並べざるを得ないので、ある視点からの見方をどうしても強力に出さざるを得ない。…
星星峡(幻冬舎)2008年9月号、p.96 藤田香織「汗とは無縁の室内で、熱き戦いを読む幸福。険しき「武士道」をつき進む、剣道少女再登場!」(誉田哲也『武士道セブンティーン』の書評)そう言われてみると、読書(映画とかも)なんて、ずいぶんといい加減な…
星星峡(幻冬舎)2008年9月号、p.95 芳麗「心だけでなく、体ごと持って行かれた。」(渡辺やよい『ピーター・ノースの祝福』の書評)体感とはすごい絶賛だけど、渡辺やよい、知らない(芳麗も)。レディコミ(多分、読んだことがない)でエロティックなマン…
これら〈高度成長〉と呼ばれるものの毒に、敏感だった黒澤明が気づかなかったはずはない。この毒は人間に染み込み、人間性を変える。東京のスモッグは前年(一九六二年)に問題化していたが、日本人はまだ公害に気づかず、大きな問題にはなっていなかった。…
彼らは私の前からいなくなっても何ら問題のない存在である。いつ死んでくれても構わないと常に思っている。彼らは私の人生にとって厄介者である。すくなくともその必要性を遥かにしのぐほどに私の人生の阻害要因であろう。白石一文『この世の全部を敵に回し…
朝日新聞2008年9月25日朝刊、16面、声欄小学生の西元美樹(12)ちゃんが、バスでおばあさんに席を譲ったのに、座ってくれず、気まずい思いをしたと書いている。080925-149
本(講談社)2008年9月号、p.60 橋本努「思想テロとしての秋葉原事件」「時代の病を見る」とは書いてあっても、この読み解きは、落ち着かない気分になる。10年後であれば、的確と思えるようになるのかもしれないが、当事者でなくても、秋葉原事件は、まだ十…
本(講談社)2008年9月号、p.29 原武史「鉄道ひとつばなし152 TJライナーに乗る」たった2ページのTJライナー乗車記だけど、面白かった。東武東上線で「英国の疑似体験ができ」てしまうってんだから。「この先に東京があるかのようだ」って、実際に乗ってそん…
本(講談社)2008年9月号、p.23 福岡伸一「世界は分けても分からない4 相模原、二〇〇八年六月」切り離しが行われたかどうかでいいじゃないかと思ってしまうのだけど。素人は大局観ですよ、ってそういう論旨ではないようで。福岡伸一の最近の露出度の高さっ…
彼はみんなを見回した「自分にそむくということは、闘争へむかうということなんです」 アービンジャー・インスティチュート、門田美鈴訳『2日で人生が変わる「箱」の法則 すべての人間関係がうまくいく「平和な心」のつくり方』(祥伝社、H19、p.122)これだ…
きらら(小学館)2008年9月号、p.46 「きらら」携帯メール小説大賞の第51回月間賞に選ばれたのはトカゲヘッド氏の『運転中にナビの注視はやめましょう』。引用は、盛田隆二による選評。この作品は佐藤正午も評価していて、ダブル受賞となった。話はありきた…
(注:1行目の「このように読まれるもの」には傍点ルビ) 一冊の本(朝日新聞出版)2008年9月号、p.106 橋本治「行雲流水録 第八十七回 文芸批評は、まず「あらすじ」だろう」080912-136で引用した豊崎(大は立)由美の「削りに削った末に残った粗筋と引用。…
一冊の本(朝日新聞出版)2008年9月号、p.84 四方田犬彦「音楽のアマチュア35 ニーノ・ロータ」そうなんだけど、というか、セリフは音じゃないんかい? 映画は総合芸術にしても、メッセージとなると言葉によりかかる部分が大きくなるから、評論家の態度は仕…
一冊の本(朝日新聞出版)2008年9月号、p.8 釈徹宗「宗教聖典を乱読する13 特別編 イスラム原理主義を考える――アブラハム宗教を終えるにあたって」イスラム原理主義について語っていて、それもわかりやすく、かつためになることばかりだったのだが、認知症高…
これらの作品を、ひたすら美しいと思うことがある。ただ恐ろしいと思うことがある。眩暈をおぼえることがある。しかし、どんなに優しく描かれている絵の中にも、本能を剥き出しにした放心の空しさが漂う。衆人の壁に囲まれた闇が拡がる。 彼らはひたすら何か…
魚が釣れる「ポイント」というものがまずあります。一箇所だけ、魚もいないところに糸をたらしていても、哲学は生まれるかもしれないけど、魚は釣れません。また同時に、ターゲット、つまり魚自体も常に動いています。 和田亜希子『ホームページが楽しくなる…
朝日新聞2008年9月14日、9面 耕論 日韓の悩ましさ(朴裕河/パク・ユハ、黒田福美、若宮啓文)なるほどそういうことか、といままでで一番腑に落ちた説明。080914-138
朝日新聞2008年9月13日、2面 ひと欄「還暦に憲法への思いを歌う沢田研二さん(60)」(文:藤森研)静かに通る言葉を言える人になるのが、まず私の場合は難しい。って、すぐそんなふうに話をもっていくからダメなのね。 「我が窮状」 作詞:沢田研二、作曲:…
本が好き!(光文社)2008年8月号vol.26、p.120 豊崎由美「ガター&スタンプ屋ですが、なにか? 私の書評術 2」安易にそうだ!そうだ!と同調していたら(これだってよく考えたら大変なことなのだけど)、とんでもないしっぺ返しが待っていた! 最後に、今も…
実は、ミッキーも一般的には「キャラクター」と呼ばれています。ただ、最近は「キャラ」と「キャラクター」を分けて考えた方がいい傾向にありますので、今私は、ミッキーを「キャラ」と呼んでいます。大人も結構そうですが、今の子どもは、自分のキャラクタ…
本が好き!(光文社)2008年8月号vol.26、p.56 平山夢明「非道徳教養講座 第二回 賢い親の裏切り方」賢い、親の裏切り方をするには、賢い?親の研究が必須らしい。 ところで、もともと〈親〉とは一体、何者なのでしょうか? 世間一般では子のない人は存在し…
本が好き!(光文社)2008年8月号vol.26、p.5 生田紗代「あしながおじさんの恋」(テーマエッセイ 夏休みこその「この一冊」)あらら、そんなだったっけ、『あしながおじさん』。ちょっと読み返してみるか、と本棚に手を伸ばしかけてやめたのは、私があしな…
その間、季節は正しく巡っていたはずですが、その記憶は、わたしにありません。温度を一定に保ったドームのなかで過ごしたような感じがします。 本が好き!(光文社)2008年8月号vol.26、p.5 朝倉かすみ「夏休みには、『夏休み』」(テーマエッセイ 夏休みこ…
ぼくはインド、アメリカ、東京と旅してきたけれど、こんなに地味な仕事は初めて。地方は疲弊し、逼迫してるんですね。 道を歩いていて、ふと小耳にはさんだ話から物語が始まるということもなくなったしね。空気までが動いていないと感じることもある。たとえ…
原田宗典『たまげた録』(講談社、2008、p.86)ルーブル美術館で見事“ルーブル熱”にかかってしまった原田宗典と「カミサン」は、しかしこのあと「芸術の殿堂ルーブル美術館の中で、これほど芸術とかけ離れた出来事に遭遇」することになるのだが、この話は導…
○時間の管理 ○あきらめる勇気を持つこと ○自分にとって何が大切なのか常に考えていること 大切なものを失う前に、限られた時間でできることから始めてみましょう! 小林智子『主婦もかせげるアフィリエイトで月収50万 パソコンひとつで成功!のコツ』(祥伝…
それから若い友人たちに、つやつやの皮膚や、傷だらけの腕や、うるおいのある膣を貰えたら、どんなにいいでしょう。若い女の葛藤も、悩みも、未経験のゆえの無謀さも、わたしに戻ってくるかもしれません。 そしたら、自分じゃなくなってしまうかもしれません…
森絵都『いつかパラソルの下で』(角川文庫、p.46)渦巻かせられちゃったものだから、この先の展開にえらく期待してしまったのだけど、そして主人公たちも大げさな行動に出るのだけど、物語はいたってありきたりなところへと収斂してしまう。それが作者の狙…
福田康夫同じだったら記者だって質問などしないでしょ。それを「違うんです」って、あなたの言う客観的と私の客観的は、客層が違うんであって、は、客層? だって客観的が違うってことは、ふゅー。むきまきへみし。ふごー。私の独り言はともかく、最後に付け…
「自分の(日本式)名前は、韓日の不幸な歴史の生きた証拠だと思っています。それをしょって生きていますが、日本の国のことはまったく判りません」 と、いうかれらが、ハングル世代の先陣グループに多いとは、皮肉な現象である。それは運命のいたずらなのか…