2008-09-18から1日間の記事一覧

映画とはつまるところ音と映像である。ゴダールがそう喝破してからもう40年近い歳月が経ったというのに、映画評論家はあいかわらず音楽を敬遠し、音楽評論家は映像にいささかも関心を払おうとしない。映画を作り上げている半分の要素である音声部門の研究は、映像のそれに比べて著しく遅れている。クラシックの演奏者の黒服は、視覚的快楽の拒否だ。

一冊の本(朝日新聞出版)2008年9月号、p.84 四方田犬彦「音楽のアマチュア35 ニーノ・ロータ」そうなんだけど、というか、セリフは音じゃないんかい? 映画は総合芸術にしても、メッセージとなると言葉によりかかる部分が大きくなるから、評論家の態度は仕…