2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧
本の話(文藝春秋)2008年8月号、p.9 楊逸 著者インタビュー 天安門から遠く離れて(聞き手:「本の話」編集部)オリンピックということもあり、中国の映像はかなりの量が入り込んでくるようになったが、映像だけではそこにある背景はなかなかわからない。こ…
新宿浄化作戦とかは、それらを一緒くたにしてしまう、その想像力の無さが嫌なんですよ。やっぱり画一的な考え方を壊してやりたいというのが俺の中にはあるんでしょうね。壊せなくとも、この辺でちょっと暴れとかないとダメだろうなというのが」 本の話(文藝…
青春と読書(集英社)2008年7月号、p.36 三浦しをん「日常劇場 第9回 泣き男」そう言われてみると……。江戸時代の先進性が、三浦しをんの手によっても解き明かされていく……。080729-98★080908追記 「現代人の涙の量は、100年前の3分の1にまで減ったとされてい…
その間に、当初は、〈防犯課〉だった二人の所属部署も、何年かのち〈生活安全課〉に変わった。同僚の五本松小百合も、最初は〈私服の婦人警官〉だったが、今ではれっきとした〈女性刑事〉である。公衆電話、赤電話はしだいに姿を消し、携帯電話がこれに取っ…
山本七平『「空気」の研究』(文春文庫、2000、p.22)昨日の続き。「空気」も研究されてしまうと、なかなかに難しいものなんである。080727-96
朝日新聞2008年7月12日、15面 竹井隆人「KYのすすめ 「異なる他者」とつくる社会」「空気が読めない」というのは、ふつう、やはり否定的な意味で使われてるんだよね。口には出さないまでも、ついそう思ってしまうことが多いものなぁ。けど、山本七平に言わせ…
「神谷くん!」 谷口を抱きかかえるような格好になって、あまりにビックリして後ろにひっくりかえりそうになった。え? あの……? 頭が一気にぶっとんだ。世界が消えた。全部、消えた。 一生ぶんくらいの時間が過ぎてから、世界がじわじわと戻ってきて、ど、…
R25(リクルート)2008年7月17日、No.200、p.23 温水洋一ロング・インタビュー(文:兵藤育子)私もやってみたいです、変質者。地でいけそうな気もするし。でも演技となるとどうなんでしょ。080724-93
佐藤多佳子『一瞬の風になれ 第二部 −ヨウイ−』(講談社、2006年、p.253)こんな友だちが、高校の時にいたら、どんなだったろう。と、晴れがましい自分を想像しているようだから、ダメなのだな。強力な磁力を持つ友だちを見つけられなかったのは、自分のせい…
暮しの手帖、2008年春、No.33(386)、p.148 潮田道夫「今日よりも明日14 いざとなればイモがあると言うけれど」著者の論点からは少し外れる引用かもしれないが、このデンプン爪楊枝話(これだと残飯を家畜の餌にできる)は、発想を変えればこんな法律も生ま…
松尾スズキ『大人失格 子供に生まれてスミマセン』(知恵の森文庫、2004、p.103)ハゲと「ハゲ」と『ハゲ』の使い分けの意味がわからず、悩むこと○日。「差別語神経過敏症」(なるほどねー)の時代にあっては、ハゲという言葉も次第にエスカレートして、その…
倉本美津留『どらごん 道楽言』(朝日出版社、1999、p.23)「もっと見ていてワクワクする、用事もないのに、ついつい引いてしまいたくなる、そんな国語辞典や漢和辞典があってもいいんじゃないかなぁ」ってことで作ってしまったという本。上のは「おかしな名…
川上弘美『ざらざら』(マガジンハウス、2006、p.126)23ある収録作品の『淋しいな』から怪しげな「籠おばさん」の出てくる短篇もあるが、まあ、普通の恋愛小説集である。どうでもいいことなのだが、この本を読んでいて、寅さん映画を観てる気分になった。内…
川上弘美『龍宮』(文藝春秋、H14、p.28)8ある収録作品の『北斎』から何勝手なことをでっち上げて、と思わず言いたくなるわけのわからん物語集(『蛇を踏む』もこんなだったか)。出てくるのは、人間もむろんいるのだけど、人間ではない。なんだけど、でも…
本の話(文藝春秋)2008年7月号、p.68 藤森益弘「早川龍雄氏の華麗な映画宣伝術 ワーナー映画宣伝部から見た戦後洋画配給の歴史」最終回「早川龍雄氏の……」だけど、この『燃えよドラゴン』の邦題にまつわる話は、早川の上司だった宣伝部長、佐藤正二のもの。…
本の話(文藝春秋)2008年7月号、p.64 吉行和子「ひとり語り」第14回吉行和子が「大川橋蔵特別公演、新吾十番勝負」で歌舞伎座の舞台に立ったとき、女形の先生にこう言われたのだと。これまでやってきたこととはまったく正反対の演技、化粧のやり方からして…
この際だからはっきり言っちゃいますか。 駄目なヤツはぼくで、ちょっとかっこいいヤツはぼくがこうなりたいという人物です。うんとかっこいいヤツはでてきません。ついでにいえばアイドルっていうか、マドンナ的存在の女性はぼくの好みです。はい。 本の話…
本の話(文藝春秋)2008年7月号、p.21 千街晶之「希望と絶望の戦い」柴田よしき『神の狩人――2031探偵物語』の書評。本は2031年が舞台で、女性私立探偵の話だが、書評子がことさら今の状況を述べるのは、って解説の解説をしてもしゃーないか。元本を読んでな…
朝日新聞2008年7月8日、22面 秋葉原連続殺傷1ヶ月 3氏に聞く 赤井智弘、宮台真司、なだいなだ一度手にした生活レベルは下げられないようだ。当人たちはそうは言わないが、この事例は、私もいくつか耳にしてきた。ある人が借金を申し出る姿に(もっともこれは…
併し宗教そのものの本体は、決してさるものでは無い。宗教は予の見る処では、論ずべきものでは無くして、信ずべきものである。 民友(蘇峰会)春季号、H20年4月、p.3 蘇峰 徳富猪一郎「−蘇峰自傳−自らを解剖す(二十三)」徳富蘇峰に入れ込んだからではなく…
例によって女ともだちとの真夜中の電話である。ものに対する欲望、「欲しい」という感覚がまったくと言っていいほど消えている……。そんな話をしていた。 「子どもの頃は、デパートひとつ、ぜーんぶ欲しいと思ったこともあったのに」と女友だち。欲望に振り回…
はじめて店においてある煙草の封を切ったとき、ああこんな風に喫いはじめるのか、と思った。 煙草を喫う女が好きではなかった。 いまでも人前では喫わない。ひとりのとき、煙が動くのがよかった。周りの空気が透明すぎるより、少しぼかされていることが慰め…
朝日新聞2008年7月9日、15面 生中継10秒遅れ 中国 中国共産党宣伝部は、北京五輪の生中継を10秒間遅らせて放送するよう全国各地のテレビ局に通知した。選手らがカメラの前で政治的行動をした場合などに対応するための措置。8日付香港紙、明報が伝えた。 外国…
誰もが、祝福しすぎることで、人々の内心の思いが逆に浮かび上るようであった。網元の長男と校長の娘の、いわば選ばれた、恵まれた婚礼を、同年輩の青年たちも、少しも斜めに見なかった。それが、かえって二人の行先きの不幸を、人々が予想していることを示…
徳富蘇峰館にあった「愛用の杖」の説明プレートから徳富蘇峰館には「愛杖家」蘇峰の杖45本が展示してあったけど、「薪としては既製品」かしらね。ここでのんびりしすぎたせいか、併設の三島由紀夫文学館が駆け足になってしまったのだな(出かけたのは6日の昨…
徳富蘇峰館にあった「蘇峰の愛した山中湖と富士山」の説明プレートから富士を褒めるには、とりあえず、月並みとか言って、断りを入れてみたくなるのかもね。もしくは太宰のような態度をとったりしてさ。080706-75
太宰治『富岳百景』(現代国語2、筑摩書房、S42、p.41)5日に山中湖に行くことになっている(実は今日はまだ3日なのだが、遊びに出かけるのだからと、先回りしてブログの準備をしてるんである。当日更新なんてめったにしたことがないってーのにか)。山中湖…
ウフ.(マガジンハウス)2008年7月号No.073、p.67 斎藤美奈子「世の中ラボ その25 それでも裁判員制度はやってくる?」ほんとに「それでも裁判員制度はやってくる?」んだよね? 裁判員制度については、ずーっと悩み中。自分にそんな資格があるとは思えない…
ウフ.(マガジンハウス)2008年7月号No.073、p.10 野村雅夫「イタリアが贈る寓話、『1日3時間しか働かない国』から未来の人間が見えてくる。」いやいや、そんなことは、なくはない。本人以外には、ローマの休日でしかありません。080703-72
原始採集漁民、という言葉がある。おくれた職業というふうに意味づけて。働く実感さえもてない職種が出てきたこの時代に、遊びに近い労働の妙味が失われたことを、土本典昭さんは映像で表現してみせた。 朝日新聞2008年7月2日、36面 石牟礼道子「やさしい阿…