ふと、自分がこの小説を、体で読んでいたのだと気づく。そこに連なっている文字に、全身が刺激されて、その刺激が体を伝わって心まで解放されたような感覚を味わっていた。愛の痛みとか苦しみを想像しながら、体感もしていたのだ。マンガ的なのか、小説的なのかは、よく分からない(というか、もはやどうでもいい)けれど、それは、何というかとてもエロティックで、幸せな読書体験だった。そして、物語の中で味わった愛の深味はせつなくて苦しくて汚くもあり、とってもさみしいけれど、それも含めて何だか忘れがたく、美味しく感じられた。

星星峡(幻冬舎)2008年9月号、p.95 芳麗「心だけでなく、体ごと持って行かれた。」(渡辺やよい『ピーター・ノースの祝福』の書評)

体感とはすごい絶賛だけど、渡辺やよい、知らない(芳麗も)。レディコミ(多分、読んだことがない)でエロティックなマンガを描いてきた人という説明がある(『ピーター・ノースの祝福』は小説)。機会があれば、ですね。渡辺やよい、忘れちゃいそうだ(こう書いたのと、3回タイプしたので、覚えたか)。

080928-152

  

アマゾンの個別商品を貼り付けていたら、ちょっと読みたくなってきた。