マツタケや鮎の味がわかるようになったら、それなりの歳だということでしょう。そうそう食べられるものじゃないし、若い時は高値で手が届かなかったし……。それが何となくわかってきた。あと10年もしたら、「今年のは、良いねえ」とかイヤミなことを言えるくらいの年寄りにぜひなりたいものです。

本が好き!(光文社)2008年11月号、p.102  槇村さとる「おとな養成所 第二十九回 身に覚えのなきこと」

私にはもう十分イヤミです。今年はいただきものを食しましたが、でもこれは30年ぶりくらいのことなんで、いや、もしかしたら松茸ご飯という名の、ほいでも、松茸様はどこぞにお隠れになっていらっしゃるので、とお伺いを立てたくなるようなもんには、30年のうちに1度くらいはお目にかかったような気がしなくもないのでありますが、いずれにしても儚くも心もとない記憶なんでごぜーますだ。

081116-201