2008-11-09から1日間の記事一覧

「つまり、人によって全然違うんだな。私みたいに二十年かけてゆっくり見えなくなったり、ある日突然、って人もあるしね。発作のたんびに痛んで痛んで七転八倒の人もあれば、全く、なんにも痛くない、無痛の人もあるんですよ。ただ、この病気に一つだけ共通なのは『眼を食い終わったら完治する』それだけですよ」

さだまさし『解夏』(幻冬舎、2002年、p.29)ベーチェット病という、失明することで完治するという、信じがたい病についての、作品の登場人物による解説。『解夏』には表題作の他『秋桜』『水底の村』『サクラサク』の中編が収められていて、どれもさだまさ…