自分の感情と事実を矛盾させぬよう、人の記憶というのは選択的に想起されるものらしい。

篠田節子弥勒』(講談社文庫、2001年、p.244)

巨大サイクロンにより150万人が被災したミャンマーで、軍事政権が新憲法の是非を問う国民投票を強行(一部の被災地は除いたらしいが)というニュースを昨日テレビで聞いていて、篠田節子の『弥勒』が頭に浮かんだ。

上に書き出した文は、引っ張り出してきた本をパラパラとめくっていて目にとまったもので、ニュースと関係があるわけではない。軍政による失政、って『弥勒』もだったよな、程度の単純な連想なんで。むろん私的には大いに「選択的に想起」したことなんだろうけど(本でもいい意味で使ってはなかったか)。

080512-20