2008-05-16から1日間の記事一覧

私が一方的に彼女を観察しつづけてきただけのはずだった。その香折が私のことを肝心な部分で的確に掴み取っている事実に私は少したじろいだ。

白石一文『一瞬の光』(角川書店、H12、p.287)映画にしたらもうとんでもなく陳腐な作品になってしまいそうな小説なのだけど、人を好きになることがどういうことかを真剣に書いている。『私という運命について』と同じで、この本にも「怒り」や「死」「愛」…