2008-06-21から1日間の記事一覧

しかし、この類的存在としての人間の解放という理念には、その底に、いかにも北的な重要なモチーフがかくされていた。それは人間は、共同的なものであるべきだという要求で、これこそ彼がおのれを社会主義者とみなした理由の根本であると同時に、彼がのちに擬ファシスト的な転落をたどらねばならなかった、秘密の核心にほかならなかった。

渡辺京二『北一輝』(朝日選書278、1985年、p.107)昨日の勉強会(最近出席率があまりよろしくない)で取り上げられた本。内容の濃い本だから油断するつもりはなかったが、前に1度読んでいるという気のゆるみがどこかにあったらしく、2度目もあえなく沈没し…