2008-06-22から1日間の記事一覧

それでも無事に横断歩道を渡りきったぼくは、また右に折れて歩き出し、そしてふと旭屋の軒先からぶら下がっている「本」というネオンに気づいてなんということもなしに扉を引いて店の中に入った。でも、入って山のように積まれ並べられた本を眺めたとたんにぼくを襲ったのは、或る吐き気のような不快感だった。いったいなんのためにこんなに本があるのだろう。

庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』(中公文庫、2008年、p.143)先週、銀座での時間調整はここでと決めていた旭屋がなくなっていて、あせったが(4月25日に閉店してるわけだから2ヶ月近くも気づかずにいたっていうのにね)、銀座の旭屋といえばなんたって『赤…