洒落た会話や思わせぶりな設定で愛や苦しみ、やさしさやジョークをお手軽に書き散らしただけの小説はもう必要ありません。

自分が一体何のために生まれ、生きているのか、それを真剣に一緒に考えてくれるのが、本当の小説だと僕は信じています。
白石一文

昨日読んだ『見えないドアと鶴の空』の奥付の裏に、上の文が自筆のまま印刷されていた。なるほど。読み続ける気になるのは、白石のこの真剣さが本に詰まっているからなんだろう。けどこの作品は、設定が「思わせぶり」なんですけどぉ。

080521-29