ところがそれがラヴェルのねらい目で、長い旋律が出てくるとてれんこてれんこ歌いたがるピアニストを制御するために、わざと右手に舌を噛みそうな音型を書き込んだのだろう。

図書2008年6月号、p.48 青柳いづみこ「二対七十五」

音楽について書かれた文など、いままでだったらすっ飛ばしていたところだが、ピアノをいじりだしたことで、技量がたとえ幼稚園児(天才は除く)レベルであっても、こんなのまで読んでしまっている自分が怖い。

が、曲について書いてあるところはやはりちんぷんかんぷんである。なのに興が乗ってしまうのは、ピアニストの著者による文章が音楽的に出来ているとか、何か秘密でもあるんだろう。

と言っておいて、実は偶然にも少し前、似たような文を私も書いてたのね、と結びつけてしまっては自慢になってしまうか。だからこの文が目に止まったんだけど。あー、でも比較してしまうとですねぇ(書いといて、あたふた……)。

080605-44