だから、こんなに無邪気に自分のしあわせを宣言されると、わたしはびっくりしてしまう。自分のしあわせは、自分だけ知っていればいいではないですか。他人に大声で言って、そんな風になれなかった人は、どう思うか考えないのかな。文句の付けようのないことを、正々堂々言っちゃってなんだかこわいなぁと思った。ひやっ、とする。

asta(ポプラ社)2008年7月号、p.57 夏石鈴子「なついししあわせ雑貨堂 第15回 五月生まれの女の子」

26歳の主婦が「女に生まれ、母になり、こんなかわいい子供たちを産めてうれしく思っています」と投書していることについての、夏石鈴子の感想である。 

まわりも見えないし、言いふらしたくなるんだよ、しあわせ過ぎる時って。でもまあ、せめて小声でね。

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