しかし、なぜにこんなに毎回毎回ヒトを失望の崖から突き落とすような、運転免許証の写真。友人のを頼み込んで見せてもらっても(頼み込まないと見せてくれない)、ほとんど、実物よりもショぼい。

きっとこれは、警察の陰謀ではないか。こんな写真の付いたものは、できるだけ日常的に出し入れしたくないものである。だから、違反や、事故を起こさずに、そっとしまっておけよ、ということなのかもしれない。そのかわり、もし、違反、事故の際には、時空の広がりを見せて歪んだアナタの写真、見ちゃいますよ……みたいな。
小林聡美『ワタシは最高にツイている』(幻冬舎、2007年、p.82)

これはですね、もっとずーっと古いものから並べてみるとですね、案外そうではないな、と気づくんです。だって、古いヤツほど、若々しくって、凛々しくって、さっぱりした顔してるから。小林聡美がそこまで気づいていないのは、まだそんなには年がいってないからで、私も昔は同じように思ってたのね。ひでー写真だよなーって。でもひどいながらも真実を写し撮ってることが、あと何度か免許を更新したらわかるはずなのだ(私の場合、2期前から本当に「とんでもじいさん」になっていて、これは門外不出、にしなくても処分してしまえばいいのだが、でもとってある)。

いや、でももしかして美肌美人が撮れるとかいうカシオのEX-Z300みたいなデジカメを導入しちゃったりしてね。警視庁もイメージアップ狙いで粋な計らいをする、わきゃないか。

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