さて、海外でこれほど重視されているミルトンが、日本ではどれだけ受容されているだろうか。イギリス文学史のなかでシェイクスピアと並ぶか、少なくとも彼に次ぐと評価されながら、ミルトンの読者層は限られたものである。変幻自在で「万人の心を持つ」シェイクスピアと比べると、その強烈な自我のゆえに、謹厳な「ピューリタン詩人ミルトン」のイメージが先入観となって、近寄り難さを生んでいることは否めない。明治日本に作品よりも評伝が先に紹介され、崇高にして高潔な魂を持った果敢な行動人としてのミルトンに、プロテスタントの伝道者やジャ

未来(未來社)2008年9月号、p.27 佐野弘子「ミルトン生誕四百年 国際ミルトン・シンポジウムに出席して」

ミルトン、知りまっせーん。あ、失楽園のミルトン。あー、あ、あ、あれね。若い時の丸暗記が今役に立つとは。こういうこともあるので、暗記が必ずしもダメとはいえないんだけど。でも、役に立ったというのとは違いますね、はい。

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