歴史は勝者によって記されていく。

まさに、その典型例が、明智光秀という武将なのだと知った。我々が知る光秀像は、秀吉が天下を取ったあとに書かれた『太閤記』を代表とする軍記読み物によりでっち上げられた――というより、創作された――エピソードをもとに作り上げられてきたのである。
真実の光秀像を描いてみたい、そう思うようになった。
私は今、確信している。真に戦国の世を終わらせたのは、信長でも秀吉でも、家康でもない。明智光秀、その人なのだ、と。

本(講談社)2008年10月号、p.37 真保裕一明智光秀という名将」

歴史上の人物を、角度をかえて書くことは当たり前のように行われているし、未見だが唐沢寿明明智光秀になったドラマ(『明智光秀神に愛されなかった男−』)も記憶に新しい。明智光秀びいきの本などいくらでもありそうな気がするのだが、でも知らないってことは、って、私が知らないだけのような。
それはともかく、「真に戦国の世を終わらせた」と言い切られてしまうと、俄然気になってくるのだった(もっともそう言いながら、私の場合、すぐ忘れてしまうんだが)。

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