既製服が必要なら小説を読め。手作りの服が必要なら歴史書を読め。
青春と読書(集英社)2008年12月号、p.21 遅塚忠躬「ミラボーとロベスピエール」
ここだけ読むと逆のような気がするのだが、この前に、
それでは、真実を描く小説家の方が、事実にこだわる歴史家よりも上位にあるのだろうか。いや、そうではない。小説家は、レディメードな真実像を提供してくれるだろう。歴史家は、事実を提供することによって、読者がそれぞれに真実像を描く手助けをするのだ。
とあるので、ああ、真実と事実ということでの既製服と手作りの服なのだということがわかるのだけれど……。
ついでながら、最初の続きは、
ここで自己宣伝をしておこう。佐藤さんの小説を読んだら、あわせて、私の『フランス革命』(岩波ジュニア新書)も読んでください。どちらも面白いですよ。
である。
遅塚忠躬のこの小文からは、ロベスピエールの「生存権の優位」について語った部分こそを取り上げるべきだったかもしれないが、自己宣伝の宣伝の方が喜ばれるかなと。
081216-224