2008-10-04 私たちの錯覚は、帝国主義が世界を分割してしまったように、言語が世界を分割していると思い込んでいることかもしれない。実際はそうではない。さまざまな椅子を「椅子」と名付けることによって、私たちは利益も得たが、粗雑にもなった。犬に比べて嗅覚は一万分の一にも鈍くなったそうである。他の感覚もそうだろう。 な 図書(岩波書店)2008年9月号、p.31 中井久夫「私の日本語雑記−十四 われわれはどうして小説を読めるのか」そうなんだ。だったら、言葉でもって世界を掴まえたいという願望のある私って……。081004-158