2008-10-17 世はまさにバブルであった。一歩、表に出ると、「ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ」という声が鳴り響いていた。それだけではなく、あらゆる音が鳴り響いていた。クルマのクラクションの音。嬌声。舌鼓。クラクション。怒号。悲鳴。ファンファーレ。町のいたるところでくす玉が割れ、ひらひらが垂れ下がり、司会者が絶叫してた。全員が優勝者で、山のような賞金とエビオス一年分を抱えて走り回っていた。 ま 町田康『破滅の石だたみ』(角川春樹事務所、2008年、p.24)「全員が優勝者」だったのに、でも何でかそこからはこぼれていた私だけど、今となっては、バブルはそんなだったような気がしてしまうのであった。081017-171