この小説で、僕は初めて書き手として社会の傍観者である立場を捨てたように思う。小説を書きながら、僕は登場人物たちとともに救いに似た何かをこの社会の中に、あるいは自分自身の中に、探そうとしていた。

本(講談社)2008年12月号、p.11 本多孝好「半ば辺りで」

そうか。小説家というのは、そういうことだって出来ちゃうんだよなぁ。うらやましがってもしょうがないんだけど。

「この小説」というのは、『チェーン・ポイズン』。「講談社創業100周年記念出版「書き下ろし100冊」特別エッセイ」なんでね(PR誌だもんな)。

081222-230