藤堂志津子『まどろみの秋』(新潮文庫、平成10年)

 昨日は佐賀のプロポーズを、打算的に考えないでもなかったのに、綾美からまるでプロポーズされたこと自体を祝福するような口調で話題にされると、急に気がとがめてきた。(p.162)

どんな本でもひとつくらいは引用したくなる箇所があるものだが、この本にはそれがなかった。なので、無理矢理引用。

だからといって本がつまらなかったわけではなく、ぐんぐん読んでしまったのだが、けれど読み終わってみると何も残らない(といっては語弊があるが)。じいさんが読む本じゃなかっただけなんだろうけどね。