ふたりは顔をまっかにし、汗をたらし、腕をふりあげふりおろし、コブシをつくったりハサミをつくったりパッとひらいたりした。ホイホイホイよ、アイコでチョキよ、パーチョキグーよ、おつぎはグーよ、ヘナヘナパーよ。
北杜夫『船乗りクプクプの冒険』(角川文庫、S44、p.112)
ヘナヘナパーよ、っていいなぁ。今後常用してしまおう。
この文庫の解説は井上ひさしで、こんなことを書いている。
番組が終わったからこんなことが言えるのだが、最近までNHKから放送していた「ひょっこりひょうたん島」にも、北杜夫さんの影響は大であて、なんとも申しわけもない次第ながら「ひょうたん島」初期の「タムレ王国の巻」などは、この「船乗りクプクプの冒険」の結構をかなり拝借した。その前年、ラジオで「クプクプ」を脚色したときに、この本から学びとったものが、自然に「ひょうたん島」のほうへ、流れ込んだのであろうか。
いま、自責の念にたえかねて、生命の危険をも省みず、あえてここに告白する次第である。
結構をかなり拝借した、っていうのもいいなぁ(この日記の私じゃん)。
080509-17