神は、空の高みにいるのでもない。人間の心の中にでもない。神がいるのは、今あなたが面と向かって相対しているあらゆる人の中だ、という神学的解釈は、私の心を捉えて放さなかった。

小説家としての私は、あらゆる人の中に神がいる、ということを証明できなければならない。殺人鬼とか、鬼畜とか呼ばれる人の中にも神がいる、ということを、実感的に描けねばならない。
青春と読書(集英社)2008年12月号、p.3 曽野綾子「墨絵の光景」

私には神が存在しないので、こういうのは無視してしまってもかまわないのだが、どうしてか気になってしまう。こんなだから、神の不在については40年近くも前に結論づけたのに、10年ほど前にむしかえしてしまって、それから5年ほどもぐだぐだとしていたのだろう。でも、もう大丈夫。の、はず、で、ある。

歯切れが悪いのは、これからは歳を取るばかりで、神様が必要になるお年頃になっていくから、というのではなくって、いろいろなことでぐだぐだしているのよね、最近。

081212-220