2010-01-01から1年間の記事一覧

天童荒太『悼む人』(文藝春秋、2008年)

「人への優しい振る舞いや感謝される行為が一つでもあれば、十分です。ぼくには、人を裁く権利も、真実が何かを見極める能力もありません。ぼくの悼みは、ごく個人的な営みですから」(p.250) 坂築静人が奈義倖世に、悼みについて語っていたところ。他にも…

2009年に読んだ本のベスト10

はじめて本のベスト10を選んでみた。映画と違って2009年に発表になった作品から選ぶというわけにはいかないので(そんなに沢山は読めないので)、あくまで私が2009年に読んだ本の中からである。2009年の読書数(便宜上書籍単位で数えている)は100冊。マンガ…

長田弘『深呼吸の必要』(晶文社、1984年)

じゃあ、どの「あのとき」が、きみのほんものの「あのとき」なのか。子どもとおとなは、まるでちがう。子どものままのおとななんていやしないし、おとなでもある子どもなんてのもいやしない。境い目はやっぱりあるんだ。でも、それはいったいどこにあったん…